先日、ある小学生から何の本が好き?と聞かれました。
とっさに色々浮かびましたが、岩波少年文庫のC.S.ルイス作『ナルニア国ものがたり』と答えました。
私が小学生の頃とても好きだった本です。
4つ上の姉の影響で、早く物語が読めるようになりたいという気持ちもあり、全7巻を読み終えたときの達成感がとてもありました。
読んだ後は、一緒に部屋を船室に見立てて、物語の一部を再現するナルニアごっこをしてよく遊んだことを覚えています。
この物語は、今思うとその頃の私の心の支えになっていました。
嫌なことがあっても、『ナルニア国ものがたり』という好きなものが心にあるだけで、少し強くなれていた気がします。
最近、『本へのとびら――岩波少年文庫を語る』という本を読みました。
スタジオジブリの宮崎駿監督が、岩波少年文庫の中からおすすめの50冊を紹介している本です。
そのなかで監督は、「効き目があるから渡す、という発想はやめたほうがいいと思っています」と書かれています。
後になって考えてはじめて、昔読んだ本が自分にとってこんな意味があったのではないかと気がつくからです。
子どもたちに、本を読むと立派になるからとか、考えが深くなるからとか、大人の理由で読ませるべきではないということです。
「読ませようと思っても、子どもは読みません」
という部分もとても思い当たる節がありました。
私も本を読みなさいと言われた記憶はありません。
効果があるから読むのではなく、自分にとってとても大事な一冊にめぐり逢うことが大切だといったことも書かれていました。
これを読んで、それがまさに私にとっての『ナルニア国ものがたり』だったのかもしれないと思いました。

