先日、日本クラシック音楽コンクールで優秀指導者賞を頂きました。
まだまだ指導者としては若い私が、このような賞を頂けたことを大変嬉しく思っています。
子供の頃から、人に何かを教えたりすることが好きで、
高校生の頃の文集に将来の夢はバイオリンの先生と書いていました。
教育にずっと興味があり、大学では迷わず教職を選択しました。
教育実習が楽しくて楽しくて、学校の先生になることを考えた時期もありましたが、
大学時代から音楽教室でバイオリン講師のバイトをずっと続けていたため、
卒業する時にはやはりバイオリンに携わっていたいなと思うようになりました。
今ではたくさんの子どもたちに囲まれて、
可愛い子どもたちが、「かなこせんせい〜」といつも慕ってくれることをとても幸せに、誇りに思っています。
自分で言うのもなんだかおかしいですが、この仕事が天職だなと思うことがよくあります。
子供達の笑顔を見るととても幸せな気持ちになるし、
この子たちに何をしてあげられるかな?と考えている時がとっても楽しいからです。
私は子供の頃からバイオリンの英才教育を受けてきたような、
いわゆるバイオリン界の「エリート」ではありません。
「毎日何時間練習!」などと家庭で強制されたことはなく、
母はレッスンにすらついてきたことのないような人でした。
それゆえに、大きくなってから苦労したことも多くあり、
以前はそんな自分にコンプレックスを感じていたこともありましたが、
今は明確に「エリートじゃなくてよかった」と思うことがとてもよくあります。
なぜなら「わからない」が「わかる」から。
これは、人に何かを教える立場の人にとって一番大切なことの一つじゃないかなと思います。
バイオリンってとっても難しい楽器だし、その上楽譜を理解して、
毎日毎日練習をかかさないようにして…と本当に子供にとってはなかなかハードルが高い訓練です。
それを「やりなさい!」と無理やり押し付けるのは違うかな?と思います。
「先生が怖いから」「お母さんが怒るから」という理由だけでバイオリンを続けていたとしても、
ある程度までの技術は身につくと思います。
ですが、その過程でとても大切なものを失くしてしまうように思います。
もちろん甘やかせばいいというわけでもありません。
子供自身が自主的に「上手になりたい」「練習しよう」「しっかり考えてみよう」と思えるかどうかが大切で、
それができる環境づくりをしてあげるのが私達の仕事だと思っています。
それでもやはり、子供達は頑張れない時が必ずあります。
それは大人だって、一緒です。
そんな時は一緒に立ち止まって、考え、共に乗り越えられるような、
そんな先生でありたいなあと思います。