6月10日は「時の記念日」でした。
日本で初めて「時計による時の知らせ」が行われたということから、この日が制定されました。
時間を大切にすることを広める目的があるそうですが、「時の記念日」と聞いて私は、過去から未来への時の流れが思い浮かびました。
何気なく弾いている曲が100年以上も前に作られたなんていうことは多くあります。昔の曲を弾けるのは、現代まで色々な人が受け継いできてくれたからと思うと、不思議な気持ちになります。
長い間に戦争が起こり、時代が変わり、いくつもの歴史的な出来事があったにも関わらず、こうして今も聴いたり、弾いて楽しむことができています。
音楽教室の子どもたちが昔の曲を弾いているのを見ると、またひとつ先の時代へ受け継がれたような気がして、嬉しい気持ちになります。
反対に、歴史の中に埋もれてしまって、今は忘れられている曲がいくつもあるかもしれません。
私は古本が大好きなのですが、時の流れを感じることができるというのも好きな理由のひとつです。
古本屋さんには、さまざまな時代の本が同じ空間にあり、何気なく手に取った本が、大正時代に作られたものだったりすることもあります。
100年以上も前に作られた小さな本が、こうして綺麗な状態で私の手にあるなんて、これもまた不思議な気持ちになります。
購入した本は自分のものになりますが、それはこの時代でのことで、今は私の本棚に並んでいても、時が経てばまた巡り巡って、誰かの元に行くでしょう。
そうすると、自分の物というよりは、次の人に渡るまで預かっているといった感覚になります。
誰かが大切にしてきてくれたおかげで、今に受け継がれているものは沢山あります。日常のふとした瞬間に、時の流れを感じて、過去や未来に思いを馳せることは大事なことだと思います。