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2025年5月28日
ひばりだよりVol.30

先日、ベルギーの画家、ジャン=ミシェル・フォロンの展覧会に行きました。日本での展覧会は30年振りとのことです。
昔の図録を眺めながら、いつか実物を観たいなとずっと思っていた画家です。
 
シンプルな線と繊細な色彩の中にフォロンの世界が広がっていて、旅をするような感覚になる絵がとても好きです。
メッセージ性が強い作品も多く、基本的人権の尊重を定めた「世界人権宣言」の30ヶ条に合わせて描かれた原画も観ることができました。
 
今回の展示の中に、『失われた時を求めて』の著者、マルセル・プルーストが答えたことで知られている質問帖(Le questionnaire de Proust)に、フォロンが回答していたものが紹介されていました。
 
この質問帖については今回初めて知りましたが、とても興味深い内容でした。
 
いちばん好きな食べ物や飲み物という楽しいものから、自分のものにしてみたい自然の力、理想とする幸福について、もっとも軽蔑する歴史的な出来事、などさまざまな質問があります。
 
理想とする幸福については「人生を理解すること」という答えが心に残りました。
 
その他にもフォロンのユーモアのある回答が素晴らしく、私もこのプルーストの質問帖に答えてみたいと思い、さっそく挑戦しました。周りの人たちに聞くのも面白そうです。
 
平成に流行した性格を知るための動物占いや、最近では性格診断のMBTIがよく知られていて、いつの時代も自分を知るためのツールがあるようです。そのひとつとして、プルーストの質問帖はいかがでしょうか。
答えの中に再発見があるかもしれません。

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