クリスマスの時期に読みたくなるお話があります。
オー・ヘンリーの作品『賢者の贈りもの』は絵本にもなっていて、読みやすい長さなので毎年冬になると思い出し、手に取って読みますが、今年は『くるみ割り人形』を読むことにしました。
今回のクリスマスコンサートは、くるみ割り人形の演奏をお話と共に演出することもあり、さっそく絵本を探しました。
すると、絵本によって少しずつ内容が違うことに気がつきました。
チャイコフスキーのバレエは、フランスの作家、アレクサンドル・デュマとその息子が手を加えたお話が使われているため、原作を元にした絵本と、バレエを元にした絵本とでは違う部分があったのです。
原作はドイツの作家、E.T.A.ホフマンの『くるみ割り人形とねずみの王様』というものでした。
原作がホフマンと知ったときに、これは読まなければならないと思いました。
高校生の頃に読んでとても気に入った『黄金の壺』というお話が、
ホフマンが書いたものだったからです。
その小説はドイツの幻想文学らしい、美しくも怪しげな雰囲気のお話だったので、おとぎの国の可愛らしいくるみ割り人形のお話を書いた人と、すぐには結びつきませんでした。
実際に原作の『くるみ割り人形とネズミの王様』読んでみると、大筋は同じですが、まさにホフマンらしい、怪しげで幻想的な雰囲気の漂うお話でした。
くるみ割り人形を調べていくうちに、華やかなものと、ダークな雰囲気のもの、色々なパターンでお話を楽しむことができました。
私は今回のクリスマスコンサートには参加することが叶わず、とても残念でしたが、演奏会のあたたかな、素晴らしい様子を写真や録画で観ることができました。
来年もどうぞ素敵な音楽と共に過ごせますように。
皆さま良い新年をお迎えください。